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「ナッテ」楽曲解説
2018.01.06

 

やなぎなぎ4thアルバム「ナッテ」

やなぎなぎ楽曲解説

 

1. snowglobe

作詞・作曲・編曲:やなぎなぎ

≪解説≫

アルバムの時はいつも「この作品はこんな世界観だよ」という導入曲をつくりますが、今回はこの曲がそれに当たります。

中身は誰にも触れないけれど、誰にでも透けて見える宝箱の様なスノーグローブの世界。

自分の宝物を見られてしまうのは、秘密を全部さらけ出すような怖さもあります。それでも自分の大事なものを好きになってもらえたら、共有出来たら、もっと素敵な宝物になるに違いない、と思いながら作った曲です。

 

2. 時間は窓の向こう側 (TVアニメ「時間の支配者」ED)

作詞:やなぎなぎ 作曲・編曲:bermei.inazawa

≪解説≫

「snowglobe」のイントロダクションが終わって、実質的なスタートを切るのはこの曲になりました。

秒針の刻む音で俄かに寝覚め、段々と熱さを増していく楽曲構成は、今回のアルバムを引っ張っていってくれています。

inazawa先生の曲は一度聞いただけでは、今何が起こったのか解明できないので、ぜひ何度も奥深いサウンドを楽しんでください。

 

3. over and over (TVアニメ「Just Because!」OP)
作詞:やなぎなぎ作曲・編曲:北川勝利

≪解説≫

今回は北川さん曲が3曲入っていますが、序盤・中盤・終盤となんともバランス良く散らばりました。

そんな中でもこの曲はやっぱり序盤でリードしてくれる存在です。「ユキトキ」や「春擬き」に続く青春ポップになりましたが、ノスタルジックな切なさが増し増しで、また違った雰囲気になっています。

このあと出てくる北川さん曲その2もお楽しみに。

 

4. here and there (TVアニメ「キノの旅-the Beautiful World-the Animated Series」OP)
作詞:やなぎなぎ 作曲・編曲:中沢伴行

≪解説≫

デビュー曲「ビードロ模様」を思い起こす曲調で、私もどこか懐かしさを感じながら歌っていました。

だけどこの曲はもっと開放的で、どこまでも行けそうな気がしてきます。MV撮影で実際に小豆島を旅した思い出も相まって、私の中ではドライブソングとしてのイメージもあります。

ぜひみなさんの旅のお供にも連れて行ってください。

 

5. スーパーヒーロー
作詞・作曲・編曲:やなぎなぎ

≪解説≫

私の大好きなものの一つに「ゲーム」があります。

子供のころから身近にあって、大人になった今も、時間を忘れて熱中してしまうほどです。RPGだとラスボスを倒しても、最後にセーブしたポイントからまたプレイすることになって、倒したあとの世界にずっといることが出来なかったりするんですが、実家にそんなRPGのソフトがゴロゴロ眠っているんです。

あの勇者たちはまだ平和になっていない世界で待ち続けているのかな、と思うと胸がチクチク痛む、そんな曲です。

 

6. あなたはサキュレント

作詞:やなぎなぎ 作曲・編曲:齋藤真也

≪解説≫

作曲の真也さんとは良くデジタルロックの楽曲でご一緒しますが、そんな真也さんの音でボッサを聞いてみたいな、と思い立ってお願いした曲です。

サキュレントは多肉植物といって、葉っぱの中に水を貯えることができる種です。

植物は人の言葉や仕草で成長が変わると言われることがありますが、それならサキュレントに溜まっていく水も、人の言葉によって甘くなったりしょっぱくなったりするのかも?と思って詞をかきました。

 

7. 海を込めて

作詞:やなぎなぎ 作曲:北川勝利 編曲:acane_madder・北川勝利

≪解説≫

北川さん曲その2・中盤編です。

北川さんのポップな曲はもちろん大好きなんですが、ゆったりした曲も魅力的で、「音のない夢」や「ターミナル」といった曲もこれまでに作っていただきました。

今回はゆったりしながらもR&Bの要素で少し大人っぽいイメージです。

歌詞は貝殻をモチーフに、疲れたら私を耳にあてて海の音を聞いてみてね、と話しかけるような内容になっています。

 

8. 瞑目の彼方 (TVアニメ「ベルセルク」ED)
作詞:やなぎなぎ 作曲:鷺巣詩郎 編曲:CHOKKAKU・鷺巣詩郎

≪解説≫

実は今回のアルバムの制作は、1stアルバム「エウアル」と同じような気持ちで作りはじめました。

というのも、この曲がデビューしてからの5年を振り返るきっかけになっていて、作曲の鷺巣さんが北欧エレクトロニカを曲の下地に置いてくださったことが大きな理由です。

私はもともとエレクトロニカが大好きで、自分で作る音楽もそこがルーツになっています。

自分の宝物を共有するならば、自分のルーツの音はいつも以上に大切にしないと、という思いで制作していました。

 

9. 砂糖玉の月 (TVアニメ「キノの旅-the Beautiful World-the Animated Series」ED)
作詞・作曲:やなぎなぎ 編曲:出羽良彰

≪解説≫

何か作品の為に曲を書くときは、ある限りのシナリオや原作を読み込むのですが、「キノの旅」は学生の頃読んだ記憶があまりにも印象的過ぎたので、その当時の記憶を大切にしたくて、読み直しはせずに曲をつくりました。

その記憶のままに歌詞をがーっと書き出して、次の日にはトラックを作って、仮歌も録って…創作ってこの勢いある瞬間がすごく楽しいのです。

 

10. relaxin’soup feat. DJみそしるとMCごはん
作詞・ラップ:やなぎなぎ・DJみそしるとMCごはん 作曲・編曲:やなぎなぎ

≪解説≫

3年前くらいのある日、車でマネージャーさんが家まで送ってくれていた時、ふとラジオから流れてきた「おまんじゅう」という曲。

え?急にレシピ歌い出したけど、なになに?と戸惑いながら聞いていて、最後に「おまんじゅうラブ いま幸福」というフレーズが出てきて、なんて幸せな曲なんだ!と。それがDJみそしるとMCごはんさんとの出会いでした。

何を隠そう私も食べることが大好きなんです。

みそしるさんが私の食に対する思いをラップにしてくださって、そのラップを受けて私がメロディをつけて、そこにかけあいをつけてもらって…と何度もやりとりを重ねて完成しました。

 

11. 目覚めの岸辺

作詞:やなぎなぎ 作曲・編曲:rionos

≪解説≫

北川さん曲のストリングスアレンジで、これまでも参加してくださっているrionosちゃんですが、彼女も編曲まで手掛けられるシンガーソングライターなので、今回はまるっと楽曲をお願いしてみました。

歌詞を先にお渡しして、そこに曲をつけてもらっています。

感傷的な詞だけれど、球体のように包み込んでくれる温かい音にのることで、自分ひとりでは沈みっぱなしだった世界を水面まで引き上げてもらいました。

 

12. 夜明けの光をあつめながら (日本テレビ「バズリズム02」1月エンディングテーマ)

作詞:やなぎなぎ 作曲・編曲:北川勝利

≪解説≫

北川さん曲その3・終盤編です。

実はこの曲は「海を込めて」のリクエストを送った時に、まずはこのデモ聞いてくれ!と、ものすごい早さで帰ってきたデモ曲のひとつでした。

北川さんこの曲すごい良いです!でもリクエストした曲もやりたいです!とわがままを言ってみたら、快く2曲作ってくださいました。

タイトルにもなっている、サビのフレーズがものすごく心に引っかかって、一度聞いたら頭の中をぐるぐるまわってしまいます。

 

13. natte
作詞・作曲・編曲:やなぎなぎ

≪解説≫

「ナッテ」は「綯って」と書くことが出来るのですが、「綯」には複数の糸をより合わせてひとつにする、という意味があります。

私がスノーグローブにたくさん詰め込んだ、色や形が全くちがう宝物たちを、ひとつに綯って、という気持ち、そしてみんなのもとで音として「鳴って」、最後には好きに「なって」もらえたら、という沢山の「ナッテ」を込めて名付けました。

「夜明けの光をあつめながら」が大団円のエンディングだとしたら、「natte」は数十年経って当時の記憶を日記に書き起こしているような余韻の部分です。